| 右斜め後ろからの物言う視線がレーザーみたいにギリギリと皮膚を焼くくらい熱くて強くてこわい(んだけどでも肝心の用件が何なのか分かってあげられない)ので知らん振りしらんふりしてやり過ごすんだから「そんな無駄なことはやめろ、土方」 背中から圧し掛かられて強く腹側を擦られるのは丁度そこら辺にある膀胱が変な具合に刺激されちゃって困ると言っても訊いてくれない(どころか「どんな風に困るの?」なんてまぜっかえされて返す言葉も無くなってしまう)から諦めて四つん這いになって射精の欲求と交じり合った奇妙な尿意を耐える中学三年生桂小太郎が学級担任教師(国語担当)坂田銀八との教え子と教師という関係を大きく逸脱したこの状況を指すのに決して「愛情」・「恋」といった言葉を用いようとしないのはそうすることによってきらきらきらめきながらさらさらと零れ落ち泥濘に穢されていく「愛情」の「恋」の意味の欠片をおそれるからだ。もう何年何十年も昔のことのように思える数ヶ月前には確かに横たわっていたように思う愛情のようなものも今になっては消えちゃって愛情なんて高尚なものでもなくてもはや惰性?執着?そんなカンジで。もう使わない使えないゴミ屑に愛着を覚えて捨てられないなんて掃除下手みたいなきっとそんなカンジでずるずるとお互いに腰を擦りつけあっているだけなんでしょう先生と言ってなじってみたらそうだよなんて臆面もなく返してくる厚顔無恥の輩。嫌な男、薄汚れた男だ。罵る前に、でもそんな奴相手に最初「好きです」だなんて言ってきたのはお前だからね、とチクリと釘を刺されてしまって罵倒の言葉は行き場を失う。こうやっていつも罵る言葉も懇願も哀願する言葉すら二人の間に横たわる侵しがたい年齢の差、すなわち経験値の絶対差、そんな厚い壁に阻まれて行き場もなく彷徨って残される諦観ばかりが年甲斐も無く桂小太郎の体内に蓄積されて蓄積されて諦めることばかり最近では上手になってしまった。諦めて、そして尿意がもう限界まで高まってしまう、銀八の突き上げは止まない。 最初に「好きだ」と言ったのはこちらからで「抱いて」と強請ったのもこちらからでこれじゃ全く逃げ場もない。「愛情」も労わりもないこの空虚なセックスに「裏切られた」なんていう資格もない。そして桂小太郎にはもう止めるなんていう勇気もありそうにない。一番問題なのはこの状態が奇妙に桂の某神経端末に化学物質を垂れ流していることだ。性的な興奮。ここで選択肢を二つ。 1 こんな不毛なことはもう止める 2 現状維持 だなんて考えるまでも無く答えるのは2しかない。好きだとも美化する気持ちはないけど捨てがたいなにかしらの疼き。桂だって十分薄汚れてる。 大切なのは自分が感じているというこの一点に尽きるのではないだろうかいま自分が銀八を愛しているかそして銀八が自分を愛しているかということではなく大切なのは気持ちがいいかどうか、という結論に至った桂小太郎は今はもう「愛」という「恋」という言葉を意味を経験を忘れてただただ愉楽の繭の中へダイブ!して何も考えないでいろんな体液を製造して放出、垂れ流すだけの安易さに酔いしれることにする。滴る尿がシーツを汚して生臭い匂い。銀八が嘲笑って「きったねーなお前!」と言ってももうどうでもいいよむしろもっと罵れ!この体に心に跡を残して傷を残して言い逃れもできないくらいにしてくれ!それでボロボロになった俺は衆人環視の前にアンタを引きずり出してこう言うんですよ「責任とって下さい」先生。真っ青な顔して困る銀八の表情を想像するだけで射精できる。 さあ「アイシテル」って一体どういう意味だった? だから桂小太郎は教室の中、斜め後ろ、同級生土方十四郎のギラギラ意味深な視線(「スキダスキダスキダ」「アイシテル」)を後頭部に感じながらその意味するところを理解できない理解しようとしない(「えっ、それってどういう意味?」)まま昨日今日明日も知らないふりを押し通しながら坂田銀八と、もしくは孤閨に坂田銀八を想いながら、坂田銀時の肉体を自らの手指を玩具に挿入と射精と憎悪と執念を繰り出し繰り返す日々。 |