| 傍らの人を失った冬も明けて春になり夏も過ぎ肌を刺す空気に、再び訪れる冬の翳を知る。 我が身を顧みては棄てた人の心情を思いわずらって苛立ちに紛れ斬りおとす天人の首を、畜生、と罵って野にうち捨ててもただ、虚しい。 彼の人を怨んでその鬼籍に入るを望んでも、暖かな飲食に触れたばかりで思い返すあの交配の恋しさに、本気でそれを願えるほどの度胸も無く。 血の臭う業のなにもかもを投げ出してその跡を追う程の無明の心も持ち合わせ無く。 どちらつかずで今日もまた、おめおめと、生き永らえて。 暗がりに脚を取る黄泉路の落とし穴を避けて通ってその先もやはり暗いのに違いはなく。 高杉の酒量がますます増えた。 何処らよりの泣き声。生きる人のか、死ねる人のか、わからない。 身に受ける風の冷たさを独り、一層に知る。 銀時元気で居りますか。時たまお前の夢を見る。 元気であるならどうかそのまま。 怨み続けられるほど、強くはありませんでしたから。 棄て去った諸々に心翳らすこともなくお前がただ、ただ健やかにすこやかに在るようにと。 こいねがって独りの冬を、やり過ごす。 |