いけない子
煙管を持つ指の、身体の細く研ぎ澄まされたのとは異なって案外にごつごつと節くれだっていることを知った時、私が想像したその指の節のその一つ二つ、やがては全てが私の暗くてネトリと湿ったいけないいけない洞の中に潜りこみまさぐって悦の琴線ほろほろとかき鳴らしてくれるだろう感触にじんわりと其処の潤いあふれさせていることをお知りにもならずにふかふかと煙を吐いていらっしゃる。
深い心の奥のところをなんにも誰にもお話しにならないで、秘めて右目の鋭さだけをただ増してゆくお方だから本当のところはよくわからない頭のよくない私には本当によく分からない。だけどあのお方に下に集う者の誰一人にも胸襟開くつもりが無いことは何とはなしに察しがついて時折は絶望し時折はお怨み申し上げる。
ジィ、と見詰める視線のひっそりと語るところを知らぬ野暮でもあるまいに、ツンと胸の先上向かせて恋焦がれする心の体のどちらとも、見向きもされずお触れにもならず、それじゃァあんまり報われない。
お声のかかる全てはお仕事命ぜられる時だけで、私はご褒美に少しの情でも与えられることを求めて、まるで犬、と似蔵の嘲笑うように忠実に忠実に人を撃ち人を撃ち辺り一面紅く血の海作り上げるまでして励むのだけどそれでも矢ッ張りお変わりはなく。私を見る右の眼にはどうしたって何の色も探りだせない。
(触ってくださいどうかここに、さわって、ください、ください、どうかどうか)
欲する心の止まる術、そんなものを私はどうにも知らないし。子宮がキュウゥと窄まって、お種が欲しいと駄々こねるのを、無いものねだりと哂いはすれどあんまり哀れで咎めることも出来ぬから、仕方が無い。私は自分で自分の体を慰める。ソロリと裾を下着を掻き分けて、行き着く先の小さく小さく待ち構えていた肉の芽に、いけない指先玩ばせる。
口から這い出るうわ言が(「しんすけさま」)頭に浮かぶ心象が(あのお方は私のほっこり突き出た胸のまろみを右の手にして口吸いしながら杭で私を突き上げる)指の動きを早くして私の感覚は一点目指して疾走する。てっぺん目指して突ッ走る。本当は何にも咥える物なんてない洞穴が、空想のあの方に振りまく愛想の蠕動速くなる。漏れる水音激しくなる。
(しんすけさま、ごろうじて。わたしは、こんなに、なるのです。あなたをかんがえて、こんな、に)
体がビビビと仰け反って、あああ、と小さく叫んでみたら空想の交わりは終わってしまう。嘘っぱちのあの方は消えて逝く。
毎日の夜の暗がりの時間にそんなことを繰り返して繰り返して、私の白い下着は少しずつすこしずつ色付いて色付いてよごれていく汚れていく。
武市先輩は、ああまた子さんおやめなさいはしたない、と云う。貴女のお慕いしているあの方が、そんな貴女をご覧になって、どう思われるかをかんがえなさい、なんてことをいう。ばかやろう。私はそうなって欲しいんだ。そうなることを、望んでいるんだ。いつかいつか晋助様が私のいけない独り遊びの悪癖をお知りになって残された右の眼に呆れの蔑みの哀れみの色を浮かべて私を見つめることがあったなら。
私がこんなになったのは、こんなこんなに淫らにいけない子になったのは。
「全て貴方のせいっスよ」と吐き棄てて、しまいたい。
ギャグですよ。