唇開けば虚虚実実様々に言葉並べて煙に巻き。逃げているのか誘っているのか、霧中に独り放り出されて抜け出す術も奪われた、と思えば悪戯に手を差し伸ばされて縋りつくのを突き放されてぐるりぐうるり同じ所をまわされる。「お前の長い髪が朝寝の腕に絡み付いているとその執念に慄きそうになって逃れてみれば虚しくなり優しくしようとすれば縋りつかれることに怯えて手ひどくすれば罪悪感にうちひしぐ。どうすればいいのかどうしたいのか分からぬままにお前を逃れてお前を抱いてはまた逃れたくなりつつ再び抱擁の欲望に胸焦がせたりして。面倒くさいし鬱陶しいし死んでくんねぇかななんて思った途端に涙して生きてくれと懇願する。愛情か欲望か二者択一の真理追究にはもう時間を費やしすぎて両者の境界線を見失ったのはとうの昔のうちだからもはや探す気にもなりゃしねえ(お前だってもうどっちでもいいんだろう?と知ったかぶりに、ニヤリ)痴情に歪む顔を想えばいきり立ち信念に臨む顔を想えば嘆かわしい。本能の姿は好ましく、理性の姿に厭わしさ。お前について俺に定まる答えはない。統合性を欠いていると詰るか?答えを出したいか?……とりあえず、今、は、お前を抱きたいよ」と腕に抱かれて脚を開いてそのぬくもりに夢心地、になりながら俺は必死に考えている。愛されているか?憎まれている?それとも吐き出したいだけ?彼の中に眠る答えはどれだ。彼は探そうとしない。すべての解答はこちらに押し付けられてしまう。お決まりのスタンス、彼は提示し俺は必死で。吐き出された様々の瓦落多言葉を一つずつならべて解読、高分子化合物の配列の何万何千何百何十の配列の中からたった一つの細胞を探りだす試みのようにならべられた言の葉の中に血眼になって真理を追究しながら見つける悦びもしくは絶望に、その虚偽もわからぬままに一喜一憂浮き沈むことには、ああもう「疲れた」青白い顔。「さよならをするよ銀時」「もう二度と、」
さよなら。